Zirororororo

見たけりゃ見てください。

空がなぜ青いのか

空がなぜ青いのか、子供によく聞かれる。子供はそういった類の質問が好きな生き物らしいが、大人はその手の質問が嫌いだ。波長の短い青色の波長が大気中の粒子によって散乱され、色が広がるから。たったこれだけの仕組みを、大人は性格に答えられない。理解はしていても、それをいちいち説明しようとはしない。空がなぜ青いのか。空が青いからである。この説明だけで、大人たちは満足する。空が青色であろうと、緑色であろうと、赤色であろうと、自分たちの頭上に広がるものが空。なぜそうであるかという理由を知ったところで、大人たちはその知恵を持て余す生き物だ。大人は、合理性とはすなわち、誰かが決めたルールの延長線上の話に過ぎないことを知っている。もし自分が神様なら、自分の好きな色の波長を短く設定して、その色に空を染め上げただろう。けれど、空は、嫌になるほど青一色だ。炎天下スーツで歩き回る体につき刺さるビルの反射光。睨み返す先には四角く切り取られた雲と青。青は大人たちの苦しみを見て見ぬふりをする。いつだって青は透き通っていて、綺麗で、見ていて腹が立つ。そんな青が嫌いだ。だから、空がなぜ青いかなんてことも考えたくないし、知っていても教えてあげない。本当は綺麗な緑色の空がよかったなぁなんて思いながら出社していたら傘を持ってくるのを忘れてしまった。はぁ、なんで雨なんて降るんだろうか。